ジョンです
普段からコーヒーばかりを飲んでいる私ですが、べつにそれ以外を受け付けないわけではありません。
たまに『紅茶』を飲んでいたりします。
そういえば……10代の頃は一時期、アップルティーにハマっていましたね。
知り合いの家で出されたときに衝撃を受けたんですよ。
「リプトンのイエローラベル以外にも紅茶があったのか!!」
当たり前なんですけどね。
紅茶は、コーヒーと同じく産地によって特徴があります。
ですが、それよりも「ブレンドによって様々な味を生み出す」といったメーカーごとの特色を出したもののほうがポピュラーです。
さらにアップルティーやアールグレイといった「フレーバーで風味を出す」という工夫も重ねられています。
ん?
そいえば『オレンジペコ』って紅茶ですよね?
名前はよく耳にするんですが、実際はどんな紅茶なんでしょう?
なんかアップルティーと同じフレーバーティーっぽい感じです。
きっと「オレンジのティー」を、おしゃんてぃに呼んでいるのかもしれませんね。
え?違う?!
実はオレンジペコというのは、紅茶の種類でも、オレンジのフレーバーでもありませんでした。
オレンジペコの意味
オレンジペコというのは、茶葉の大きさや形状を区別する『等級区分(リーフグレード)』の呼び名です。
具体的には「7~11ミリの大きいサイズ」をオレンジペコと呼び、等級区分の中で一番大きい茶葉を指しています。
ちなみに、これよりも小さい区分に『ブロークン・オレンジペコ』というものがあり、大きさは「オレンジペコを2~3ミリにカットしたもの」です。
さらに、これより細かくなれば『ブロークン・オレンジペコ・ファニングス』と呼びます。
とまあ、こんな感じで『形状』による区分ですので、味や香りを保障するものではありません。
……ん?
じゃあ『オレンジ』って何?
そもそもですが……オレンジペコと「果実のオレンジ」は、まったく関係ありません。
淹れたときの茶の色がオレンジ色だった
茶摘みのときの茶葉の芽の色がオレンジ色だった
こんな感じで『色』から来ていると言われています。
また、ペコとは中国語の『白毫』のなまったもので、茶葉の芽の芯に「白い産毛のようなもの」があるということから名付けられたとか。
(※白毫は、新芽や若葉の裏側の白い産毛という意味)
そんな「産毛の生えた芽」が混じった紅茶は
「若々しい新芽だけに、紅茶の味をまろやかにし、そして風味も豊かだ」と、中国から輸入された当初、ヨーロッパで人気となりました。
あれ?
ちょっと待ってくださいよ。
オレンジペコは『等級区分(リーフグレード)』ですよね?
でも「お茶の色や茶葉がオレンジ色で、新芽が混じった紅茶」なんですよね?
軽くパニックですよ。
実は、中国から輸入した当初のヨーロッパでは製茶技術が未発達だったので、新芽で作る茶葉は7~11ミリほどの大きさでした。
その後、技術が進歩して、茶葉がより細かく小さくよれるようになっていきますが、問題が起こります。
それは、茶摘みの時期によって茶葉の生長が異なるので、出来上がるサイズもさまざまになってしまうこと。
それじゃあ商品としてはちょっとアレですよね?
そこで先ほど出てきた『等級区分(リーフグレード)』を決めて、商品として紅茶の品質を表すようになるんですが……
実はこのときに『語源』とは一切関係なく、輸入され始めた当初の茶葉と同じサイズのものをオレンジペコと呼ぶようになりました。
なるほど
『等級区分(リーフグレード)』を定める際に、基準となった茶葉の呼び名を、そのまま使っていたわけですね。
つまり平行棒での『後方棒上かかえ込み二回宙返り腕支持』を、モリスエと呼ぶようなもんですよ。
……え?違う?!