どうも、わりと四角四面な一面も持っているジョンです
直方体の体積を求める『縦×横×高さ』
これは小学校で教わる算数の知識で、三つの辺の長さから体積を求める公式です。
例えば、次のような図形の場合……
計算式は「10×4×2=80」で、体積は80㎤になります。
……で
だいぶ前ですが、こんな話を耳にしました。
この図形問題で「4×2×10=80」と書いた生徒が減点されたらしい。
理由は……「縦×横×高さの順に式を書いていないから」
どういうことやねん
確かに算数(数学)のテストってのは“解き方”も込みで答えになりますよ。
問題を理解しているか?
知識を活かせているか?
そういった部分も見ているんで、途中の計算式が間違っていたら減点されるし、式を省いて答えだけを書いていたら不正解にされることだってあります。
でも今回のようなケースは、チョット違うんじゃないかと……。
だって、これ……直方体ですからね。
直方体の計算に順番は関係ない
図形の分類で見ると、直方体は四角柱という柱体の一つになります。
柱体とは「基準となる平面図形(底面)」が垂直に平行移動して作られた立体のこと。
図のように底面が垂直に平行移動した際、その通過した部分にあたる立体がそれです。
このとき底面の形によって図形の種類も異なります。
円は円柱、三角形なら三角柱。
四角形だと四角柱です。(四角形なら菱形でも台形でも四角柱)
更に四角柱の中でも、底面が長方形や正方形になっているものは直方体になります。(立方体も直方体の一つ)
……と
このように柱体は底面を基準に形成されているんで、体積を求めるときも底面を基準に計算します。
その公式が『底面積×高さ』
まず底面積を計算し、それに高さを掛ける。
仮にイメージするなら、こんな感じですかね。
「面(底面積)が積み重なっている分だけ立体(体積)になる」みたいな。
……で
この考え方で見ると、直方体の公式は「縦×横」の部分で底面積を計算し、それに高さを掛けていることになります。
となると、やはり手順として「縦×横(底面積)×高さ」の順に計算するべきなんでしょうか?
ところがギッチョンチョン
実は直方体って……どの面を底面と見ても構わないんですよ。
先ほどの柱体の定義で考えて、どの面を基準にしても同じ図形が生まれますからね。
逆に言えば、全ての面が底面になるわけです。
だから体積を求める際も、どの底面を基準に計算したって問題ありません。
高さ×横の面だろうが、高さ×縦の面だろうが。
底面に対して垂直な辺を“高さ”と見るなら、どの面を基準にしても『底面積×高さ』という求め方と同じになりますからね。
だから計算式がどういった並びであっても、体積の“求め方”として間違いじゃないと思います。
もちろん決まった順番があるなら、それに従うべきかもしれません。
でも残念ながら……『縦×横×高さ』って定型じゃないんですよね~。
「一つの頂点(角)から三方に伸びる三つの辺」
これを図形と照らし合わせて位置関係を分かり易くするため、敢えてそういう表現を使っているだけの話なんで……。
だから他に「幅×高さ×奥行き」と書かれていることがあったり、数学の参考書などでは「一辺×一辺×一辺」なんて書いていたりもします。
このように直方体は体積の求め方に決まった順番も無く、そもそも『縦×横×高さ』という公式さえも便宜上そう表現しているだけに過ぎません。
だから、たとえ出題者の意図する計算式じゃなくても「あ、このパターンで計算しているのか」と理解してあげるべきだと私は思います。
なんせ立体の問題に対する解答ですからね。
採点する側も“多角的”に捉えるべきかと……。
それではまた、別の話でお会いしましょう
コメント
平行四辺形の公式の説明で「切り貼りすると底辺×高さの長方形になる」というものを見たことがありませんか?
同様に、円柱は無限大個の扇柱に切り、互い違いに貼ると”半径×高さ×(半径×円周率)の直方体”になります。
コメントありがとうございます。
どうやら私の文章力が未熟だった為に誤解を招いてしまったようで……。
問題の箇所は “テストで「次の円柱の体積を求めよ」という基本的な問題が出された場合、その計算式を書いたら「適当に数字を並べただけだろ」と思われて減点されるんじゃないか?” という趣旨だったんですが、元の文章を読むと分かりにくいというか伝わらないですよね。
一度は書き直してみたんですが、改めて考えたら後半の部分は必要なかったんで丸々カットすることにしました。
今回、ご指摘を受けたことで色々と気付けました。ありがとうございます。
円柱が直方体になる話は非常に興味深かったです。勉強になりました。