どうも、人生の無情さに「なんでやねん」を連発しているジョンです
このブログでも何度か言っていますが、私は時代劇が好きです。
幼少期から多くの作品を観てきて、リアルタイムでの放送が無くなった今でも再放送があれば観ているほどに。
作品によっては何周もしていますが、それでも尚、飽きずに観ています。
もちろん、それは物語としての面白さがあってのことですが……
私の場合は、ときに内容よりも「ツッコミどころ」を楽しんでいたりします。
以前もイラっとするパターンについて話しましたが……

とかく時代劇にはツッコミどころがあるもんで、それは時代背景や設定がありながらも、あくまで大事なのは「話の流れ」だからかもしれません。
というわけで今回も時代劇にツッコんでいくお話。
前回は、どの作品にもありがちなパターンを話しましたが、今回は『暴れん坊将軍』に絞ってみました。
念のため作品についてザックリ説明しておくと……
お忍びで江戸の街に現れた徳田新之助こと「八代将軍 徳川吉宗」が、庶民との交流を深めながらも悪者を見つけては成敗していくという物語です。
そもそも上様が城から抜け出している時点でアレですが、それは「基本設定」なんで触れないでおきますよ。
弄ばれる女たち
徳田新之助こと吉宗は、とにかく女性にモテまくります。
そりゃあ整った顔と腕っぷしの強さに加えて教養もあるし、何より親切で優しい。
天下人としての器の広さなのかもしれませんが、その人柄に触れたら女性はイチコロです。
でも残念ながら女性の恋が実ることはありません。
だって「上様」ですから。
一度その正体を知ってしまえば、誰もが恐れおおくて身を引くのは当たり前の話。
いくら女性が好意を寄せても、結局は失恋に終わってしまうのがオチなんですよ。
……にもかかわらず
徳田新之助という男は……必要以上にゲストヒロインを胸キュンさせています。
例えば、二人きりで話しているとき。
相手の悩みを聞いた後に目を見つめて一言……
「元気なお前のほうが、俺は好きだな」
(ヒロイン、頬を赤らめる)
「ハッハッハ……」
いや、ハハハやあらへんねん!!
なんか口説いているみたいになっちゃっていますけど~?
こんな感じで吉宗が必要以上に胸キュンさせていることは多々あります。
でも先ほどから話しているように、女性がどれだけ胸を焦がしても恋が実ることはありません。
そりゃあ、本人が「そんなつもりはなかった」と言えばそれまでですけど……
一体、シリーズ通して何十人の女性を泣かせれば気が済むねん。
そんなことも考えると、次第に「好きで弄んでんじゃないの?」なんて思えてきたりもするわけです。
そもそもが事件解決に関係ありませんからね。
「淡く切ない恋物語」みたいに描かれていますけど……
つまるところ、ヒロインが無駄に失恋しているだけです。
そう考えると罪な男ですよね~。
まぁ、そのほうが物語も面白くなりますけど……。
……ちなみに
私の記憶では、唯一ラブラブハッピーになったのは第八シリーズで登場した『鶴姫』というお姫様くらいです。
身分を隠した仮の姿「千鶴」として徳田新之助に恋をしたものの、最終的には許婚とお見合いをするために諦めることとなったが、実は許婚相手の吉宗が徳田新之助だったという展開。
この時「吉宗は千鶴の正体を知って接していた」というイジワルさを発揮しているんで……
やはり吉宗は女性を弄ぶのが好きなようですね。(偏見)
無駄死にする男たち
悪者退治で大立ち回りをするクライマックスは、シリアスでありながらもツッコミどころがあります。
お決まりの「黒幕の屋敷に乗り込んで正体を明かす」というシーンでもそう。
例えば、水戸黄門なら印籠を見せれば悪者がひれ伏して終りですが……
吉宗の場合は正体を明かしても斬りかかって来られます。
将軍の権威、おい。
まぁ、悪者の気持ちもわかりますけどね。
悪事が上様にバレちゃったなら、助かる道は反撃しかありませんから。
そんなわけで屋敷中から家来たちが呼ばれ、ザコキャラが大勢で斬りかかっていく大立ち回りが始まりますが……
基本的に吉宗は刀で人を斬りません。(初期の頃は斬りまくっていたと思いますが……)
「身分の高い者は殺生をするべきじゃない」という考えの基、すべて“峰打ち”でシバき回すだけです。(※手加減をしていられない状況や、相手が余程の外道なら別)
だから、最終的に黒幕を斬るのも吉宗ではなく「御庭番(忍)」の役目。
吉宗が峰打ちでシバいた後に「成敗!!」と言い、その命令を受けて御庭番が斬りつけるというのが基本パターンになります。
……ん?
ちょっと待ってくださいよ。
吉宗=峰打ち
御庭番=マジ斬り
こんなもん……御庭番と戦ったら損ですやん。
だって吉宗に向かって行ったほうは斬られていませんから。
片や峰打ちで倒され、片や容赦なく斬り殺され。
この差は何やねん。
たまたま相手が御庭番だったから死んだとか……無情が過ぎますよ。
そりゃあ「上様に刃を向けた」ということで、もれなく全員が始末されているのかもしれませんけどね。
でも、今のところそういう描写も無いわけですし……。
それに後から呼ばれた家来たちは「屋敷に侵入した狼藉者(乱暴者)」として斬りかかっているんで、何も知らずに立ち向かった者を責めるのも可哀想な気がします。
だから「主人の命令を忠実に守っただけ」という計らいで助からんもんかと思ってみたり……。
でも彼らが助かったら助かったで……
尚のこと御庭番に向かって行った家来が悲し過ぎますよ。
死んでも死に切れんがな。
……さて
いかがだったでしょうか?
『暴れん坊将軍』は典型的な勘善治悪のヒーロー活劇ですが……
視点を変えると
「男に弄ばれて泣かされる女と、無駄死にする男」
という“人生の無情”を描いた一面も見えてきましたね。
それではまた、別の話でお会いしましょう
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