ジョンです
先日、ニュース番組で「魔のカーブ」についての特集がありました。
コースは内角高めで、あわやバッターに直撃するかと思いきや、ボールは手前で進行方向を変え、ど真ん中で構えているキャッチャーミットに収まる。
……まさに魔のカーブ
違うわ
道路の話ですよ。
やたらと事故が多発しているカーブについて取り上げていました。
急カーブで見通しが悪く、ミラーを設置しているにもかかわらず対向車とぶつかる道。
見通しは良いはずなのに、曲がり切れずに歩道や道路脇の民家に突っ込む道。
これが大昔のワイドショーであれば、真面目な顔をして「幽霊の仕業だ~」なんて言っていたんでしょうね。
霊能者を呼んで現場を訪れたりして
「やっぱり事故で亡くなられた人が悪霊となっているんでしょうか?」
「うむ、ここには怨念が……おんねん」
やかましわ
冗談はさておき、いつからか魔のカーブに対するオカルトな扱いは無くなり、現代のニュース番組では、わりと科学的に事故が発生する原因を検証しています。
……ただねぇ
何て言うか……ま、ちょっと聞いてくださいよ。
事故の原因
今回、取り上げられていた魔のカーブで事故が起こる原因。
取材VTRの内容をまとめるとこうです。
急なカーブの場合、曲がった先で道幅が狭くなっていたから突然の対向車に対処しきれなかった。
見通しが良いカーブの場合、緩やかな下り坂になっていたから思いの外スピードを出してしまっていた。
また、道が弧を描いていたせいで変則的な交差点になり、咄嗟に進行方向がわからなかったという魔のカーブもありました。
つまりは「道路環境が悪い」という結論です。
だから、それらのデータを持って「国や地方自治体は、この問題をどう捉えているのか?」と行政に詰め寄っていました。
そして最終的に「もっと真剣に取り組んで欲しいですね」的なコメントを残して視聴者に訴えてもいました。
……なんか違和感があるんですよね。
正直言って、私は魔のカーブなんてものは無いと思っています。
だって……自分で勝手に事故っているだけでしょ。
確かに検証結果では地形に問題がありそうに思えます。
如何にも事故が発生しうる条件が揃っているようにも考えられます。
でも、そもそもの話……ちゃんと運転していないだけでしょ。
事故が発生する原因は3つ
- 不注意
- スピード
- 操作ミス
全ての事故の生みの親……
「物が飛んでくる」「あり得ない状況で人が飛び出す」という災難は別として、運転者が事故を起こす原因はこの3つだけですよ。
地形なんて関係ありません。
どんなに見通しが悪かろうが、注意して、適切なスピードで、的確に操作していれば事故なんて起こるはずがないでしょう。
3つのうちのいずれかが欠如しているから事故が起きるんです。
そして今回の魔のカーブについて言わせてもらうと、基本的にスピードの出し過ぎが原因に思えて仕方がありません。
にもかかわらず、取材ではそこに触れない。
いや……それを当たり前としてスルーしているように見えます。
「ここは緩やかな下り坂なので、思いの外スピードが出やすい地形ですね」
いやいや……スピードを出すなよ。
道路には法定速度があって、車にはブレーキが付いとんねん。
なにを物理の法則に従順な姿勢を見せてんねん。
また、道路を利用するドライバーにインタビューをしたら
「いやぁ、この道は割とスピードを出しちゃうんですよね~」
だからスピードを出すなよ。
運転者の責務
スピードを出すという運転手側の過失は無視。
最終的に「地形に問題あり」という結果を携えて行政に殴り込み(取材)です。
いやいやいや……本気か?
完全にヤカラ飛ばしてますやん。
だってそうでしょ?
車は「突発的な事態」に対処できるスピードで走ることが前提なんで、最悪でも急ブレーキをかけてギリギリ間に合う速度でなければいけません。
これは何も正論を振りかざしているわけではなく、それが免許を持っている人の責務だということです。
道路環境に対処できる運転技術が備わっているからこそ、国から車の運転を許可されているわけですからね。
見通しが悪い道ならスピードを落とすのは当然の話。
ましてや急カーブを曲がった先で対向車側にはみ出すような運転技術なら、すぐさま免許を返すべきですよ。
そもそも車というのは誰でも運転できるものです。(上手い下手は別の話)
でも、誰でも彼でも車を運転してしまうと間違いなく事故が起きます。
だから交通ルール守り、且つ、事故を起こさないだけの運転技術を備えた人だけに車の運転を許可する。
これが車の運転免許制度の本質です。
つまり運転免許証を持っている人は、事故を起こすような運転をしてはいけない。
そんな運転をすること自体おかしい。
もちろん災難が降りかかった場合は仕方がありませんが、運転者は車両整備も含めて事故を起こさないように努める責任があります。
それを道路環境のせいにするって……どういう神経してんねん?
曲がった先の道幅が狭いから思わず車線をはみ出たとか
緩やかな下り坂になっているとドライバーも気付かないうちにスピードが出てしまうとか
どれもこれも言い訳にならんわ。
人が轢かれとんねん。
対向車にぶつかっとんねん。
民家の修繕費が高くついとんねん。
危機感を持ってハンドルを握っていたら、それが適切なスピードかどうかぐらいわかるわい。
それでも行政に問題解決を委ねるんであれば、それはもう法規制を厳しくするしかありませんよ。
運転者が魔のカーブを作る
もし私が法規制に携わっているならば、事故を無くすために徹底します。
例えば
魔のカーブと呼ばれているような事故が多発している場所では、その区間の制限速度を著しく落とします。
40キロ以下、30キロ以下、見通しが悪いんであればピンポイントで「徐行」にしてもいいでしょう。
それで、もし法定速度を守れないなら……即、免許を取り消します。
もちろん二度と免許は与えません。
だって事故が起こる可能性があるから制限速度があるのに、それを守らないんですから。
裏を返せば「事故を起こそうとしている危険人物」じゃないですか。
え?厳し過ぎる?
でも、これくらいはしないと。
だって、どれだけ道路環境を整えようが……その安全性を凌駕するほどのスピードを出して事故を起こすんですから。
環境整備なんていう応急処置じゃなく、根本的な原因を無くさないと問題は解決しませんよ。
もっとも、私が考えるような厳罰化はないでしょうけどね。
だから今後も魔のカーブは無くなりません。
いや……元より無かったものが存在するかのように言われ、元より無かったものがこの先も増え続けていくんでしょう。
まったく不思議な世の中ですよ。
本来であれば、交通事故のニュースを知ることで「自分も気を付けないと」と思うもの。
「人の振り見て我が振り直せ」と大昔の人は言いました。
しかし現代のニュースでは「ドライバーはスピードを出しちゃうよね~、でも事故は道路のせいだよね~」なんていう情報を見せてくる。
私たちは一体……この事故から何を学べばいいのか?
ふと、そんなことを考えてしまった今日この頃でした。
魔のカーブ?
幽霊の仕業?
本当に怖いのは……人間だよ!!
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