虫にまつわる雑学を3つだけ語る

 

ジョンです

 

私は幼い頃から虫が苦手です。

一時期は「虫取り」で遊んだりと、平気で触れていたこともあるんですが、大人になってからは再び虫嫌いに逆戻り。

改めて考えても、なぜ当時は気持ち悪くなかったのかが不思議でなりません。

 

さらに、もう一つ。

私は虫嫌いですが、自分よりも恐がっている人がいるなら、途端に平気になってしまいます。

べつに「助ける」とか「守る」なんて正義に火が点いたわけじゃありませんよ。

単に、虫を持ってその人を追いかけたいだけです。

他人を恐がらせるという瞬間だけは、自分が虫嫌いだということを忘れてしまいます。

 

ここで気になるのは私の「Sっ気」ではなく、「そもそも、自分は本当にそこまで苦手なのか?」ということ。

もしかしたら、自分は苦手だと思い込んでいるだけなのかもしれません。

催眠術で克服できるという話もあるくらいですからね。

そこで試しに「虫の図鑑」を開いてみました。

……

無理無理無理!!

気持ち悪いよぉ~

というわけで、虫にまつわる雑学から3つを紹介します。

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クマバチの気持ち

虫嫌いじゃなくても『ハチ』を嫌がる人は多いもの。

「針で刺す」という昆虫の中でもなかなかの武闘派ですからね。

でも私の場合、ハチだけは平気というか、たとえ自分のすぐ近くを飛んでいても気にしません。

こちらが何もしなければ攻撃してこないことがわかっていますし、なにより……『みつばちマーヤ』が好きだったんで。

それにハチミツを集めてくれますからね。

いわゆる「依怙贔屓(えこひいき)」というやつです。

 

とはいえ、それは『ミツバチ』に関してだけの話。

さすがに『スズメバチ』や『クマバチ』が現れたら、ちょっと警戒してしまいます。

みつばちマーヤの敵ですし、スズメバチに被害を受けたニュースを目にすることもありますから。

……あれ?

そういえば「クマバチに襲われた」って話は聞いたことがないような……。

 

実は、クマバチは危険なハチじゃありません。

たしかに黄色と黒の毛に覆われ大きな体をしたクマバチは、見た目からして恐ろしげです。

もし、こちらに飛んで来ようものなら、その場から逃げ出したくなる気持ちもわかります。

でも……それは全くの誤解。

 

そもそもクマバチは、ミツバチと同様に、花の蜜や花粉を集めて幼虫を育てる『ハナバチ』の一種で、他の昆虫を襲うことはありません。

人間に対しても近くにいるだけで攻撃してくるようなことはなく、刺されるとしたら彼らを驚かすような悪さをした場合だけです。

そんなに大人しいのに、なぜ恐ろしい蜂だと思われているんでしょう?

 

それは蜂の中では群を抜いた大きさと『クマバチ』という名前のせいかもしれませんね。

日本では、スズメバチやマルハナバチ、クマバチといった大型の蜂を、まとめて「くまんばち」と呼ぶことがあります。

だから、スズメバチなどの攻撃性が強い危険な蜂とごっちゃになってしまったんでしょう。

完全な濡れ衣やがな。

 

……ん?

たしか『みつばちマーヤ』では、「くまんばちの一族」という悪者がいたような……。

『みつばちマーヤの冒険』は、ドイツの作家ボンゼルスが書いた童話です。

そこでは、マーヤたちミツバチ一族を襲撃する悪者として「くまんばちの一族」が登場します。

しかし、先ほどの話を考えると……この「くまんばち」はどっちなんでしょう?

 

多くの本の挿絵には、ずんぐりとしたクマバチの姿が描かれています。

あれ?……ちょっと待ってくださいよ。

そもそもクマバチは日本の固有種なんでドイツにいるわけがないし、一族なすような集団生活もしないはず……。

 

実は作者のボンゼルスさんは、ミツバチの大敵である『スズメバチ』を念頭に置いて『みつばちマーヤの冒険』を書いたんだそうな。

それが日本で翻訳され、挿絵が描かれるうちに「クマバチの姿」になっちゃったというわけです。

いやいや……さっきの濡れ衣の影響ですやん。

どこまで追い詰めんねん。

 

一度、悪役にしてしまったら、簡単に悪者のイメージは拭えません。

本当は大人しいクマバチさんなんで、なんとか良いイメージにしてあげたいですね。

例えば、もともとハナバチでハチミツが好きだから……『クマバチのプーさん』ってキャラクターを作るとか?

 

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ミノムシの婚活

ミノムシといえば、「蓑(みの)」を着て枝からブラブラとぶら下がっている謎の生命体です。

実は……あれは蛾の幼虫。

一般的に見られるのはオオミノガやケミノガ、ミノガという種類で、なかでもオオミノガのミノムシは日本で最も大きいものになります。

 

そんなオオミノガのメスは、蛾とはいえ、ハネや脚がすっかり退化してしまっているため、羽化しても「ウジムシ」のような形をしているそうな。

つまり、ミノの外へ出ることもできず、幼虫時代から一生をその中で過ごさなくてはなりません。

……ん?

じゃあ、どうやってパートナーと出会うんでしょうね?

だって生まれつきオスと出会う「きっかけ」が無いんですから。

王子様が迎えに来るのを、ただ待っているだけ?

んわけない。

 

実はメスの成虫はミノの中にいながらにして、オスを引き寄せるため『フェロモン』を出しています。

ミノの下から「頭」と「胸の部分」を少し出し、その胸からオスを誘惑する性フェロモンを放出しているんです。

ちなみに一般的な蛾は、この性フェロモンを「腹部末端」から出すことが多く、ミノガの仲間のように胸部から出すことは珍しいそうな。

 

……さて

フェロモンに誘われてやって来たオスは、腹部だけをメスのミノの中に入れ、探り探りで交尾器を探し当てて交尾します。

(なんでしょう……妙な生々しさを感じるのは私だけでしょうか?)

そしてオスと出会えたメスは、ミノの中に1000~4000個の卵を産み付けた後、一生を終えます。

 

その後、孵化した幼虫は糸を吐き出しながらミノから出て、風にのって分散し、新しい住居へと辿り着くことに。

幼虫はミノの中で冬を過ごした後、四月~六月にそのままサナギになって、五月下旬~八月に羽化します。

そしてメスはミノの中からフェロモンを出し……という繰り返し。

 

ミノムシと人間を一緒にしてはいけませんし、もちろんそんなつもりもありません。

でも「ミノムシの婚活」から学べることがあるとするならば……

「絶望的に出会いが無い状況でも、まずは自分からアクションを起こす」ということかもしれませんね。

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ムカデに引く

虫嫌いは特別なことではありません。

世の中には虫が嫌い、見るのも触るのも苦手という人が大勢いるもの。

理由は人それぞれですが、その一つに「足の多さ」があります。

そういう場合は、虫の動きを模した「足の多いロボット」ですら気持ち悪く感じてしまうから不思議です。

 

……さて

足が多い虫といえばムカデ。

漢字で『百足』と書くくらいですからね。

ちなみに、地方によっては「毘沙門天の使い」なんて信仰もあるそうですよ。

いったい神様は、どういうつもりで気持ち悪い虫を「使い」によこしているんでしょうね。

 

ところで、このムカデ……本当に足が百本もあるんでしょうか?

妖怪の『百目』なら百個の目がありますけど。

残念ながらというか何というか、このネーミングは「数が多い」という比喩的表現です。

これまでに「百本足ちょうど」のムカデは確認されていません。

じゃあ、実際は何本なんでしょう?

 

日本でムカデといえば、トビズムカデかアオズムカデのこと。

このトビズムカデは日本では最大の種類で、全長が15センチもあります。

気になる足の数は……42本

半分以下やがな!!

よう「百足」なんて数が盛れたなぁ。

 

ムカデの体は頭と胴からなっていて、頭には一対の触覚があり、胴には一対の足があります。

つまり足の数は、この一対の足を両側に持つ『胴節』の数の多さで決まるというわけです。

これが少ないものだと胴節が15で……足は30本。

少なすぎるわ。

いや、普通に考えたら多いけど……そういうことじゃなくて。

百という数を基準にすれば3分の1以下ですよ。

完全な「名前負け」ですやん。

これじゃ名前が「五十足」でもギリでしょ。

 

え?

50本を超えるのもいる?

なになに……多いものは胴節が177で、足は354本。

多すぎんねん!!

気持ち悪すぎるわ。

さっきまで50%辺りをウロウロしてたのに、いきなり350%で登場って……なにを本領発揮してんねん。

 

……ていうか

比喩的表現の許容範囲って広いんですね。

 

ジョン曰く
ムカデのことを知れば平気になるかと思いましたが……余計に気持ち悪くなってしまいましたよ。

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