ジョンです
世界で初めて電話で話したのは、発明者のグラハム・ベル。
ま、生みの親だから当たり前っちゃ当たり前なんですが、一体、何を話したんでしょうね。
気になるその内容は……「早く来てくれ、ワトソン君」
グラハム・ベルが実験中に希硫酸をこぼしてしまい、階下にいた助手を呼んだのが第一声とされています。
早速、役に立ったんですね。
世紀の大発明が、初っ端から「わりと実用的な使われ方」をしていたとは思いませんでした。
というわけで、電話にまつわる雑学から3つを紹介します。
おいおい
電話口で「もしもし?」と聞くのは間違い。
これは「もしもし、カメよ カメさんよ」みたいな訊ねている言葉ではありません。
「知ってる~、『申す、申す』が訛った言葉なんでしょ?」
ん~惜しいけど、厳密に言えばそれも間違いです。
「もしもし」という言葉は、単に「申します、申します」を縮めただけの略語。
「これから言いますよ」といった意味で用いられていた『女性言葉』でした。
だから昔は、男性が「もしもし」なんて使っていたら「男のくせに」と笑われていたそうな。
じゃあ、男は何と言っていたのかというと……「おいおい」
……なんか偉そうな物言いですね。
日本で電話交換業務がはじまったのは、1890(明治23)年12月16日。
東京と横浜において、市内通話と両都市間の市外通話が開通しました。
念のため補足すると……
昔は電話をかける際に、まず「交換手」という人を呼び出して、話したい相手先を伝えて電話をつないでもらうというものでした。
スマホ世代だと想像できないかもしれませんが、ガチで物理的に電話線をつないでいたわけです。
当時の新聞記事によると、まず「おいおい」と言って交換手を呼び出し、相手が出ると「おいおい」と言葉をかけてから会話をしたとあります。
ちなみに「おいおい」の呼びかけに対しては、「はい、ようござんす」と答えるのが一般的だったんだとか。
それにしても「おいおい」なんて偉そうに言ったら、今の時代なら「なんじゃい!あほんだらぁ!!」と返ってきそうなもんですが(それはない)
なぜ、当時はそんな物言いだったんでしょうか?
実は、この頃に電話を使っていたのは……高官や金持ちといった「偉い人」だけだったんです。
なんせ今のようにインフラが整っているわけじゃないんで、家に電話をひくとなると、わざわざ大掛かりな工事をしなければいけません。
おかげで開業時の電話加入者数は、東京が155、横浜が42だけでした。
そうなってくると、いつ頃から「おいおい」が「もしもし」に変わったのかが気になるところですね。
これは一説によると、明治30年代じゃないかといわれています。
というのも、この頃に「男の交換手をやめさせる方法はないか」という投書が新聞に掲載されていたから。
開業当初は「男の交換手」もいたんですが、新聞社に投書が送られるくらい、とにかくぞんざいな対応で評判が悪いということで、後に全廃となりました。
それにより交換手は女性だけとなったんで、彼女たちがよく使う「もしもし」が一般にも広がったというわけです。
0からはじまる
普段かける電話番号は、市内以外の普通の電話も携帯電話も、すべて『0』から始まっています。
この『0』という数字は、一体どういう意味を持っているんでしょうか?
たとえば国際電話だと、国番号からなんで当然『0』からは始まりません。
国際電話の場合は、ITU(国際電気通信連合)の取り決めで各国番号が決められているんで、『0』のルールは日本国内で適用されているということになります。
日本の電話番号が『0』からはじまるのは、NTTがそれを定めたから。
そして、その理由は……市内通話かどうかを区別させるため。
実は『0』という数字は、「市内通話ではない」ということを機械に認識させるために設置した番号なんです。
どういうことかというと……
例えば「012―345-6789」という電話番号があったとして、もし『0』を付けないルールだったなら、当然、番号は「12-345-6789」
すると、この番号に電話をかけた場合、末尾の「789」をダイヤルする前に「12-3456」という市内局番につながっちゃいます。
だから「市内通話ではない」という違いを認識させる必要があるわけです。
ちなみに携帯の場合は、市内通話、市外通話というカテゴリーがなくなり、エリアという捉え方なんで『0』からはじまっています。
幻の112番
警察への急報は110番
火事の通報・救護の要請は119番
できれば利用することがない平穏な人生が望ましいんですが、いざというときのために覚えておくべき番号です。
なぜ3桁なのかというと「急を要するから」なわけですが、実は、その番号にも理由がありました。
ダイヤルするだけで直接相手の電話口につながる『自動交換』が始まったのは、1926(大正15)年のこと。
このとき、火事をいち早く通報する目的で「火事通報専用ダイヤル」が設けられます。
その専用番号が『112番』
……あれ?
112番?!
そう、当初は火事を見つけても119番ではなく112番だったんです。
昔の電話は『回転ダイヤル式』で、電話番号を送る機構に回転式円盤を用いていました。
まず数字が書かれた円盤の穴に指を入れ、指止めまで右回りに回す。
そして、指を離すと円盤が元の位置に戻っていき、このときに電話番号1桁分のパルス列がアナログ電話回線に送られます。
ま、簡単に言えば「円盤を回したときの長さ」を、それぞれの数字に割り振っているという感じですかね。
だから数の多い数字だと、それだけ行って戻っての時間が長くかかります。
そこで、一番短い時間でダイヤルできる『112番』が採用されたというわけです。
ところがギッチョンチョン
火事で気が動転してしまった通報者が、慌てるあまり間違って『113番』をダイヤルしてしまうケースが多発しちゃう始末。
これじゃあアカンということで、「11」の後の番号をダイヤルの最後の数の「9」に変え、1927(昭和2)年から火事通報の専用ダイヤルは『119番』となりました。
ちなみに、警察への通報ダイヤルが『110番』なのも同じ理由です。
今じゃあ、ほとんどが『プッシュ式』ですし、下手すりゃスマホだとワンアクションで繋がります。
だから、特に「110・119」という番号である理由はないんですが、「広く知られているし、べつに不都合も無いから」ということでそのまま採用されているんだとか。
電話が発明されるまで、人類は手紙を用いていました。
よくよく考えれば、最近の電話よりメール派というのは、わりと自然なことなのかもしれませんね。
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