「マリモって本当は偽物かも……」という疑問を解消する話

 

ジョンです

 

せっかく人がくれた物とはいえ、困ってしまう『お土産』ってありませんか?

趣味の合わない物や、ウケ狙いのゲテモノ食品。

「守り神的な物」なんか渡されたら……怖くて処分もできません。

 

そんな中、よくネタにされているのが「木彫りの熊」

私の場合は部屋の雰囲気と合いませんし、インテリアを増やしたくないので困ります。

知り合いが北海道に行くときは、前もって「いる・いらない」を伝えておいたほうがよさそうです。

 

お土産を買う側も、インテリア系を選ぶ際は注意したほうがいいかもしれませんね。

旅のテンションだけで買ってしまうと「お……おぉ、ありがとう……」なんていう大人の対応が返ってきますから。

「あれ?もしかして気に入らなかったかな?」

ま、心配しなくても大丈夫ですけどね……数年後に断捨離されていますよ。

 

言っておきますが、決して木彫りの熊が悪いわけではないんで、そこは間違えないでくださいね。

木彫りの熊も『くまのプーさん』も、 趣味に合っていなければ渡されても困っちゃうものなんですから。

 

そんな木彫りの熊と並び、北海道を代表するお土産に『マリモ』があります。

昔は定番中の定番で、いわゆる「困っちゃう系」のお土産でしたが、それがここ数年の間に様子が変わってきたみたいですよ。

どうやら「可愛い、癒される」といった感じで、女性人気が高いそうな。

 

ただ注意してほしいのは、あくまで「昔に比べたら」ということ。

絶対的な人気だと勘違いして、「とりあえずマリモなら喜ぶだろ」なんて安易に思ったらいけません。

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マリモって偽物?

ところで「お土産のマリモって、偽物なんだよね」なんて話を耳にすることがあります。

どういうことでしょう?

旅行者相手だから、適当な物を売りつけられていたのでしょうか?

 

「そもそも天然記念物って、売っちゃダメなんでしょ?」

たしかに……マリモは国の『特別天然記念物』です。

ということは、採っても持ち帰ってもいけませんし、販売するなんていうのはもってのほか。

それをお土産として売っている……なんだか気になりますね。

 

実は、販売されているマリモは特別天然記念物ではなく……人の手によって作られた『人工物』なんです。

「やっぱり……お土産のマリモは偽物だったんだ」

あれ?ちょっと待ってくださいよ。

それって……本当に『偽物』なんですか?

 

ていうか、そもそもマリモってなんですか?

『マリリン・モンロー』のことじゃないのは分かっていますよ。

 

マリモというのは「鞠(まり)のように丸くなった藻」という意味で、藻の一種です。

でも、マリモのすべてが丸いものだとはかぎりません。

  • 岩の上に広がって生えていたり
  • ただの『かたまり』になっていたり
  • バラバラの状態でゆらゆらしていたり

いろいろなマリモがあります。

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マリモができるまで

同じマリモでも、丸くならなければ一般の藻と何ら変わるところはありませんし、『条件』が満たされなければ丸くなりません。

  1. まず、石やドングリなどの『核』となるものに藻が付き、だんだんと育っていく。
  2. それが水流によってクルクル回ったり、揺り動かされたりしているうちに核の全体を覆うようになる。
  3. さらに、ときどき湖底にこすりつけられることで、「まん丸な形」を保ちながら大きくなっていく。

このようにマリモが丸くなる条件は思ったよりも簡単ですが、この条件がそろうことが難しいんだそうな。

 

例えば、水の流れが速すぎると「藻の根っこ」がはがれてしまいます。

また、水の流れが遅すぎたり、核が大き過ぎたりする場合は、藻が房状に育つばかりで丸くはなりません。

水の流れの速度や湖の深さ、また、地形などの条件がすべて満たされたときだけマリモは「きれいな球状」になります。

 

そんなマリモといえば北海道の『阿寒湖』が有名ですが、実は、青森県の左京沼や山梨県の山中湖、そして滋賀県の琵琶湖でも発見されているんですよ。

でも、これらは阿寒湖のマリモのように大きくはなりません。

それは、阿寒湖にはマリモが育つのに最高の条件がそろっていて、他とは比べ物にならないほどの素晴らしい大きさと形に成長できるから。

だから芸術品とまで言われ、それゆえに『特別天然記念物』に指定されているというわけです。

 

カプチーノ

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手作り≠偽物

さて、お土産で販売されているマリモについて話しを戻しましょう。

先ほど話したようにお土産のマリモは人の手で作っていますが、その原料は「丸くないマリモ」

つまり、同じ種類の『藻』を使っているんです。

主に、釧路湿原のシラルトロ湖や、樺太にある「もずくの様な小さいもの」を裁断し、手で丸めて作られているというのが真実。

 

「鞠のように丸くなった藻」

この言葉に当てはめれば、人工物でも偽物とまでは言えないと思います。

もちろんそれを「阿寒湖のマリモ」として売っていたら偽物ですけどね。

偽物といえば……

世の中には原料が『藻』ですらない、「まったくの別物」を使った悪質な偽物もあるそうなので、そこは注意したいものです。

 

ちなみに、マリモの形がくずれた経験はありますか?

きっとそれで「偽物だ!」と思う人も多いかもしれません。

実はこれ……マリモ職人の熟練の差なんです。

マリモを丸める作業は、かなりの技術が必要とされるそうですよ。

 

ジョン曰く
同じ眺めているなら、マリモよりマリリン・モンローのほうがいいですね。
そうそう、私はこっちのマリモっこり……って下ネタかよ!