ジョンです
シークヮーサーといえば沖縄みかんのこと。
「シー=酸っぱい」「クヮーサー=食わせる」
つまり「酸を食わせる」という意味の名前です。
へぇ~なるほど~
普段は食べ物の名前なんか意識することもありませんが、改めて意味や由来を知るっていうのも、なかなか面白いもんですね。
ただ、中には「へぇ~」で終われないようなツッコみたくなるものもチラホラ……。
というわけで、食べ物の名前にまつわる雑学の中から「ツッコミどころ」のある3つを紹介します。
メロン
メロンの中でも最高級品の『マスクメロン』
その栽培方法は「一株につく実のうち、一つだけを残して後は摘果し、残った実を大切に育てていく」というもの。
一株にはいくつも実をつけるだけの養分がありますが、あえて一つだけに集中させることで、より美味しい実に育てるというわけです。
そりゃあ、ここまで手をかけていたら高級品になりますよね。
ちなみに表面の『網目模様』は成長過程で出来るものです。
皮よりも中身のほうが早く成長するんで、内側から皮に圧力がかかることで皮にコルク質のネットが刻まれます。
基本的にキレイにそろったネットが刻まれているほうが香り高く、味がいいと言われているんで、選ぶ際は参考にしてみてくださいね。
マスクメロンの特徴は、そのねっとりした口あたりと甘さにありますが、さらに香りのよさが持ち味です。
マスクメロンという名前も、その香りが『ムスク』に似ているところから命名されました。
(※ムスクを簡単に説明すると、ジャコウジカから抽出した成分をもとにしたフレグランスです)
ちなみにマスクメロンは「強い芳香のあるメロン」の総称として使われている名前。
日本で栽培されて出回っているのは、『アールスフェボリット(伯爵のお気に入り)』という品種です。
名前の通りイギリスの伯爵家の農園で作り出されましたが、現在、イギリスでは栽培されていないそうな。
さて、そんなマスクメロンと同じように、表面に網目のある青肉系のメロンといえば『アンデスメロン』
味わいもマスクメロンに近いわりには手頃な価格の人気者です。
おそらく「名前からしてアンデス地方が原産だろう」と思った人も多いはず。
実はこのアンデスメロン……アンデス地方とは縁も所縁もありません。
そもそもメロンの原産地は北アフリカです。
アンデスメロンは1977(昭和52年)、株式会社サカタのタネが品種改良の末、マスクメロンを親株にして開発されました。
だから似ているんですよね。
じゃあ、どこから『アンデス』がやってきたのかというと「アンシンデス(安心です)」を略しているんだとか。
本当は『アンシンデスメロン』として売り出す予定だったのが、「それはダサい」という意見が上がったんで、略して『アンデス』となったわけです。
いや、それはそれでダサいわ。
第一、略したら名前の意味が伝わっていませんけど……。
ていうか、なんで名前に『安心』と付けたかったんでしょうね?
実際、開発当時は今ほど「食の安全性(特に栽培過程)」に注目されていませんでしたよ。
実は……アンデスメロンの『安心』とは、消費者が食べて「安心です」という意味だけじゃありません。
アンデスメロンは害虫がつきにくく栽培がしやすい品種。
つまり、手が掛からないから農家がつくるのにも「安心」、そして、低価格で美味しい人気者だから八百屋さんが売るのにも「安心」という意味。
作り手、売り手、買い手
みんなが「安心です」という名前だったんですね。
……にしてもネーミングで使う言葉やあれへんわ。
キノコの名前
『しいたけ・えのきだけ・まつたけ』といった具合に、キノコ類の名前の多くには「○○たけ」という部分が付いています。
実はこれ……『猛(たける)』という言葉を語源として「動物の雄のシンボル」を指しているんですよ。
つまり……形がアレなんです。
下ネタかよ!!
おそらくトリュフやエリンギが『○○たけ』じゃないのは、「そんな形のやついねぇよ」ってことなんでしょうね。
やかましいわ。
あかんあかん……このままじゃ「形が似ている」って下品な話だけで終わってしまいます。
もう一つ、食材としての理由もあるんでした。
キノコといえば、ビタミンやミネラルを豊富に含んだ健康食材と言われています。
実は……キノコは『精力剤』として使われていたんですよ。
だから「キノコを食べると猛る」というわけですね。
やっぱり下ネタかよ!!
……失礼しました。
※ここで話しておいてなんですが、こういうド直球のネタは相手を選ぶんで気をつけましょうね。
じゃ、気を取り直して、次へいきましょう。
りんご
昔話の「さるかに合戦」には柿、「桃太郎」では桃、少しマニアックなところだと「わらしべ長者」にはミカンが登場します。
不思議なもんで、果物の中でも定番の『りんご』が登場する昔話がありません。
というか、日本の昔話に登場したらマズいんですよね。
なんせ日本でりんごが栽培されはじめたのは、歴史的にも割と最近の話なんで。
日本のりんご産業の歴史というのは意外にも浅く、明治の初期にアメリカから品種を輸入したのがはじまりです。
1871(明治4年)に「75品種」、1875(明治8年)には「108品種」を輸入して政府が苗木を配布しました。
このとき、名前の付け方は自由だったんで、同じ品種でも産地ごとに違う名前が乱立して収拾がつかなかったそうな。
アレと同じですよね。
東日本では「今川焼・大判焼き」、西日本では「回転焼」、北海道では「おやき」と呼ばれているアレです。
ちなみに千葉の南房総のほうでは「甘太郎」と呼ぶとか呼ばないとか……。
普段ならここでツッコむべきなんでしょうけど、この話に関してはなかなか強くいけません。
なんせ私は「御座候(ござそうろう)」と呼ぶんで……。
さて、話は戻って
今では品種ごとに名前がついている『りんご』
有名どころだと「つがる、ジョナゴールド、ふじ」ですかね。
ほかには「紅玉、スターキング、国光、旭、祝」といった品種もあります。
そんな中、日本で生産量第一位のりんごは「ふじ」なんだとか。
そりゃあ「富士」っていうくらいですから、日本一になってもおかしくないですよね。
え?違う?
この「ふじ」という品種は、青森県藤崎町の当時の農林水産省の試験場が開発したもの。
名前の由来は、1962(昭和37年)、その育成地である藤崎の「藤」をとって命名したのが名目上の理由です。
なるほど地名だったんですね~、てっきり富士山の「富士」だと思っていましたよ。
……
……ん?名目上?
実はこの名前の発案者、当時ミス日本から女優の道へ進んだ「山本富士子さん」の大ファンだったそうな。
だから、その富士子さんの「富士」もかけていたわけです。
そっちの「ふじ」かい!!
結局「富士」といういのは当たっていましたが、富士山の富士じゃなくて「富士子さん」の富士で……ってややこしいわ。
若い人はポカーンですが、実際、当時は大人気でキレイな人だったんですよ。
ま、同じ時代の女優さんなら、私は「丘さとみさん」のほうが好きですけどね。
それはそうと
ミス日本という日本一の女性の名前が付けられた「ふじりんご」
それが後に日本一の出荷量を誇り、名実ともに日本を代表するものになるとは不思議なもんですね。
ちなみに海外でも人気の品種で、近年では「FUJI」の名前で世界に広がっています。
きっと外国の人も「Oh~フジヤマ~」とか思っちゃったりしているんでしょうかね?
「Oh~サケハナミダカ~タメイキカ~」
いや、それ藤山一郎やがな。
食べ物に名前をつけるときは、食事の席で話せるものにして欲しいですね。
子どもがキノコの名前に疑問をもって質問してくるかと思うと「アンシンデキマセン」よ。
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